学術雑誌と呼ばれる特別な性格を持つ専門雑誌では電子化が進んでおり,「電子ジャーナル」と呼ばれている。利用面でも電子ジャーナルが主流となっており,「電子ジャーナルの論文以外は読まない」という研究者も多い。
こうした電子ジャーナルは,有料のものと無料のものがあり,有料の電子ジャーナルは,大学では大学図書館が出版社などと契約し,キャンパス内で大学に所属するメンバーのみが閲覧できる形が中心である。
しかし,最近は,有料の電子ジャーナル出版社では,掲載論文をクレジット決済でダウンロードさせてよむことが出来るようにする仕組みを取り入れるところが増えてきた。例えば,ある論文を読んでいて,その論文の引用論文を読みたくなり,電子ジャーナルがあることはわかっても,大学では契約していないのでその論文を読むことができなかった場合,その記事に付いている決済機能を使い,個人情報とクレジットデータを入力すると,すぐにダウンロードができる。
この機能は国内の雑誌ではみかけたことはないが,海外のこれまで使った例では,1論文の価格は10ドルから25ドルだった。もちろん,今ではいろいろな手段で,その論文のコピーを入手することが可能となっている。しかし,早くても数日はかかるし,少なからぬ労力を費やさなければならない。欲しい時に直ぐ手にはいるのは魅力的である。
電子ジャーナルの主流はpdfファイルであり,論文のpdfファイルをダウンロードすることになる。これは,iTuneで曲を購入し,mp3ファイルをダウンロードするのと似ている。小額決済という点でも同じである。
さて,米国のジニオ社(Zinio Systems)は,一般雑誌をデジタル配信している。ここでは,雑誌の一号を購入し,ダウンロードできる。同社の特別な閲覧ソフトを使ってパソコン上で読むことができる。
一般雑誌も号単位ではなく記事単位でオンラインでの購入,ダウンロードができないものかと思う。例えば文藝春秋のスポーツ専門誌『ナンバー』誌のラグビー関連の記事だけ読みたい,同社『オール讀物』に年に数回載る杉本章子の「信太郎人情始末帖」を読みたいといった要望がある。
これに応えるには,毎号をデジタル化し,目次をもとに分割し,さらに決済できるようにしなければならず,かなり手間がかかる。ニーズを掘り起こし,こうしたサービスの存在が知られる前に,コストがかかり過ぎて頓挫してしまうだろう。
ジニオ社は,Cosmopolitan,BusinessWeek,Macworldなどを号単位で提供している。大きなディスプレイがあれば,ジニオの閲覧ソフトでかなり快適に読むことができる。ジニオ社は少し前までは上り調子だったが,最近は,提供されるタイトルが減っているようにみえる。また,ジニオ社と提携した日本の雑誌サイトは,購読申込が主体であって号単位の提供には熱心ではない。
電子書籍は,ぱっとしないままであるが,一般雑誌のウェブ提供の将来にも閉塞感を感じずにはいられない。
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